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空想世界の税金コラム  第2回 「『藤原とうふ店(自家用)』と記載した自動車の経費性」

第2回 「『藤原とうふ店(自家用)』と記載した自動車の経費性」

 秋名山を颯爽と駆け抜けるスプリンタートレノ・AE86型(通称ハチロク) その車体には「藤原とうふ店(自家用)」という名称が書いてあった...

 藤原とうふ店ではこのスポーツカーを経費で落としているのでしょうか。私見ですが、あくまで(自家用)なので「事業ではない」ということになりますので、経費にしにくいとは思われます。(㈱や㈲がついていないことから、法人形態ではなく個人商店と判断できます。)

 但し、作中に毎朝配達として使っている描写がありますので、全額は無理にしろ一部は経費化できる可能性が残されています。 この場合には、事業として使用した割合分が経費となります。配達に使った日数や時間、走行距離などを事業用と非事業用に分けて計算します。実際にどれくらいの割合で経費にしているかは作者に聞いてみるしかありませんが。

 経費にできる項目としては、毎回のガソリン代、自動車税、車検代・修繕費などの維持費に加え、車両本体の減価償却費があります。これらは年間通して全額を集計し、最後に事業としての使用割合を掛け算することで年間の経費を計算する方法が簡単です。

 作中でエンジンをオーバーホールしていますが、これも一部経費化されたものと思われます。溝落としで損傷したタイヤやサスペンションの修繕も同様です。

 いずれにせよ、スポーツカーを個人で経費にするとなると税務調査の際には厳しく見られる可能性がありますので、証拠書類などをガッチリ固めておく必要があるでしょう。 

 


 

 ◆実際は

  社名や屋号が入った備品は、経費として認められる可能性が高いでしょう。例えば、普通のスーツであれば経費になりませんが、社名入りの作業着・作業靴などであれば経費にできます。

  フェラーリが社用車として認められた事例もあります。(国税不服審判所 平成7年10月12日 非公開採決のため一般閲覧不可)  この事例では、実際の使用状況、使用記録、走行距離、個人での自動車の所有状況、会社からの旅費の支給など総合的な判断により認められたため、どの事例にも当てはまる訳ではありません。

  特に個人の場合には、何%程度事業として使ったのかという根拠が求められることが多いです。業務日報や走行記録などがあると比較的高い割合でも経費にできるかもしれません。

  経費削減の点から見ると、社用車や社名入り制服の支給は廃止することが多いです。カーシェアを利用したり、車や衣服は従業員が持ち出しする代わりに手当を支給したりします。人間自分の物は大切にしますが、他人(会社)の物はぞんざいに扱う傾向にあるので。

 


 

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