第13回 「ネモ船長とナディアの相続税」
「ふしぎの海のナディア」のネモ船長は、実はタルテソス王国の国王であらせられます。艦長ではなく船長ですのでそこのところご注意ください。
タルテソス王国は、古代アトランティス人の末裔による歴史の長い国家です。古代アトランティス人はM78星雲からやってきた宇宙人で、ネモ船長はその直系の血を引いている宇宙人です。
我が日本も、神武天皇から始まる万世一系の天皇家がありますので似たようなものですね。
さて、ネモ船長は父親(本編未登場)から王位やブルーウォーターなどを相続している筈ですが、その際の相続税はどうなっていたのでしょうか?また、本編最終話においてネモ船長は死亡し、ナディアが相続するのですが、彼女の相続税も気になります。一体ナディアは何を考えて生きているのでしょうか?
1.ネモ船長の相続税
日本の場合、天皇とはいえ相続税は免れません。
実際に昭和天皇が崩御された際は、約18億円の課税財産に対し約9億円の相続税が国庫に納められています。
但し、相続税法の非課税の規定により「皇位とともに皇嗣が受けるもの」、つまり三種の神器については非課税とされています。また、東京の一等地にある皇居については、国有財産のため天皇家の所有物ではありません。
ネモ船長が相続したと思われる財産は次の通りです。
① ブルーウォーター(大)(小) → 三種の神器に相当するため非課税
② タルテソス王国の土地等(ブルーノア) → 国有地のため課税対象外
③ ノーチラス号、N-ノーチラス号 → 私的に利用していたため、個人財産かも
④ レッドノア → 三種の神器に相当するため非課税かも?
⑤ 海底遺跡 → 海中の土地の扱いが相続税法に定められていないため不明
⑥ 南極基地 → 南極条約(ガンダムの方ではない)により、どの国家の領土ともならないため個人の所有財産とはならない
こうして見てみると、相続税がかかりそうなものはノーチラス号だけでしょうか。船舶については相続税法上は動産としての扱いになるため、売買実例価格や精通者意見価格などを評価額とします。
もし上記価格が不明な場合は、取得価額から減価を考慮した金額を評価額とすることができます。
相続開始時点の状態が不明のため何とも言いきれませんが、おそらくスクラップに近い状態であったと推定されるため、ほぼ評価額はないでしょう。もともとが古代アトランティス人の宇宙戦艦だったことを考えても、耐用年数はとっくに超過していそうです。
ということで、ネモ船長は相続税を全く納めていないと思われます。今上天皇のように国民の範としてきちんと相続税を納めていれば、ガーゴイルの反乱は防げたかもしれません。
2.ナディアの相続
ナディアが相続したと思われる財産は次の通りです。
① ブルーウォーター(大)(小) → ただの石ころになったため無価値
② タルテソス王国の土地等(ブルーノア) → 国有地のため課税対象外
③ ヱクセリオン型宇宙戦艦 → 相続税の対象
④ N-ノーチラス、レッドノア → 相続とほぼ同時期に大気圏内で消滅
⑤ 海底遺跡 → 海中の土地の扱いが相続税法に定められていないため不明
⑥ 南極基地 → 南極条約(ガンダムの方ではない)により、どの国家の領土ともならないため個人の所有財産とはならない
ヱクセリオン型宇宙戦艦は、地球帰還後に日本海溝に沈められますので一見課税対象とはならないように思われますが、課税対象となります。
相続開始時点に価値のあった財産に対しては原則として課税されます。その後価値を失ったのは故意や偶然であり、税金の知るところではないからです。特に今回はナディア自らの手で沈めています。情状酌量の余地なしです。
評価額ですが、大気圏に1回突入していることがどう影響しているかが味噌となりそうです。大気圏の離脱・突入を反復するのが前提なのか、それとも1度きりなのかで評価額が分かれそうです。アポロ宇宙船は一度突入すれば価値はなくなりますが、スペースシャトルであればまだ使用価値があります。
◆実際は
昭和天皇の崩御の際に相続税を納められたエピソード
宮内庁HP:http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/kaiken-h01-gosokui.html
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